家飲みワインを10倍美味しく。誰でもできる簡単家飲みルール
―――――ここは、とあるワインショップ。
昨日は新人スタッフ マキちゃんの歓迎会だったようです。
家でもお手軽に美味しいワインが飲めたらなぁ。
それじゃあ今回は、ワインショップの先輩スタッフ達が実際にやっている、家飲みワインを美味しくするための極意を教えようか。
ということで、新人マキちゃんのワイン基礎知識シリーズ第四弾となる今回は
家飲みワインをもっと美味しくする方法を学びます。
ワイン基礎知識シリーズはこちら
第一弾『ワインの基本』、第二弾『ワインの選び方』、第三弾『レストランでのワインマナー』
家飲みで簡単にワインを保管する方法
家の中でワインを保管する最適な場所はどこでしょう。
ワインってデリケートだから専用の場所に保管しないといけないんじゃ・・・
そんなことはありません。
短期間の保管なら冷蔵庫の野菜室でOK!
すぐに飲まない場合や野菜室がいっぱいの場合は
日が当たらず、温度変化の少ない部屋や納戸、押し入れにしまっておきましょう。
野菜室がいっぱいで入らなかったり、ワインの保管にこだわる場合は、ワインセラーの購入もオススメ。
最近だと、1万円台の安価なワインセラーも販売してるから昔よりずっとハードルが低いですよ。
常温のワインは飲む直前に冷やすべし
ワインを、押し入れや納戸で保管しておいた場合は、
美味しく飲める温度にするため、飲む前に軽く冷やしておきましょう。
白ワインは料理の準備を始めるころ(3~4時間前)に冷蔵庫へ。また赤ワインは料理を食べ始める前(1時間ほど前)に冷蔵庫へいれて軽く冷やすと、ちょうどワインが美味しく飲める温度になります。
赤ワインって常温で飲むんじゃないんですか?
『赤ワインは常温で飲む』とよく言われていますが、それは日本よりも気温の低いヨーロッパでの話。
日本では季節によって室内の温度が大きく変化します。特に夏の期間は、30度を超える日もあり、常温だとぬるくてワインの良さが十分発揮できないばかりか熱劣化で風味が悪くなってしまうことも。
日本で赤ワインを飲む場合は、軽く冷やしてから飲むほうが断然美味しいです。
ちなみにワインの適温を図にすると、だいたいこんな感じです。
ワインの家飲み、どんなグラスで飲めばいい?
家飲みワインを美味しく飲むための最大のポイントがグラス選び。
グラスが変わるだけで、ワインの味わいも香りも劇的に変化します。
飲むワインごとに使い分けるなんて家では無理…。
しかも、
ワイングラスの種類が多すぎて何を買えばいいかわかりません!
ここでは、新人マキちゃんと同じようにグラス選びに頭を悩ませている皆様へ、
美味しいワインも不味くなる家飲みNGグラスと、家飲みが楽しくなるワインショップ オススメのワイングラスをご紹介します。
ワインが不味くなるNGグラスはこれ
せっかく買った美味しいワインなのに、味わいも香りもなんだか残念。
それって飲んでるグラスのせいかもしれません。
ついつい家飲みで使ってしまいがちな、ワインを不味くするグラスの代表格がこの3つ。
マグカップ、コップ、カクテルグラス
グラスの口が大きく開いているため、せっかくのワインの香りが外へ逃げてしまいます。
さらに、マグカップやコップのような分厚いグラスでは、ワインの繊細な味わいがぼんやりと感じられてしまうことも。
家飲みが美味しくなるワイングラス選び、3つのポイント
1.唇に触れる部分が薄くなっていること
唇に触れる部分が薄いグラスほど、ワインの邪魔をせずいい意味で存在感がなくなります。そのためワインに意識を集中しやすく、繊細な香りや味わい、質感をより感じ取りやすくなります。
2.ワイングラスの口部が閉じていること
香りの成分は、放っておくとどんどん揮発していってしまいますが、グラスの口部がすぼまっていると、立ち上る香りを外に逃すことなくグラス内に閉じ込めることができます。
3.グラスの中にワインを注いだ後も空間の余裕があること
ワインを注いだ後に残る、グラスの空間部分には2つの効果があります。
1つはすぼまった口部によって閉じ込められた香り成分を、グラスの中に貯め込むことができること。そしてもう1つは、グラスに余裕をもって注がれたワインは、空気に触れる表面積が大きくなり、香りをより引き出せるようになることです。
タイプ別、ワインショップおすすめワイングラス
美味しいワインの魅力を最大限に味わうため、グラスには気を配りたい。
でも、どのワイングラスを揃えればいいか分からない。
だったら、ワインショップのスタッフが実際に自宅で使っている
ワイングラスを使ってみませんか?
自宅で手軽に美味しく飲める、オススメのワイングラスはこの2つ。
毎日気楽に使えるステムレス(脚なし)ワイングラス
リーデル・オー リースリング/ソーヴィニヨン・ブラン
グラスの形状がワインの味わいや香りに影響を与えることに着目した最初のグラスメーカー、リーデル。その老舗メーカーが、『毎日の生活で気軽に使えるワイングラス』として開発したのが、この『オー』シリーズ。
ワイングラスとしての機能はそのままに、家飲みする時に一番気を遣う、ステム(脚)部分をなくしたので、いつでも気軽に本格的なワインの味わいを楽しめます。
家でもワインバーみたいに飲みたい本格志向の方に
ザルト ユニバーサル
ザルトは、ドイツのワイン誌『STERN』が主催したワイングラスのブラインドテイスティングにおいて、有名メーカー10社をおさえ、3部門すべてにおいて1位を獲得した究極のワイングラス。世界的に有名なワイン評論家のジャンシス・ロビンソンも愛用しているとか。
ザルトのワイングラスは薄くて軽く、デザインが繊細なだけでなく、食器洗浄機で洗える耐久性もあるので、家飲み用のグラスとしても十分に活躍してくれます。
初めてのワイングラス購入で、赤ワイン用と白ワイン用それぞれ買い揃えるのはハードルが高い!という方にはこの2つがおすすめ。どちらのグラスも白ワインから、すこし軽めの赤ワインまで幅広くつかえて、家飲みワイン用の1脚として、とっても使い勝手がいいですよ。
普段のおかずに合わせて楽しむ、家飲み推奨ワイン6選
最後にご紹介したいのが、お料理との相性。
レストランのフレンチやイタリアンと一緒に楽しむワインも、もちろん美味しいですが、
肩ひじ張らずに楽しめる定番の家庭料理とオススメワインの組み合わせを選んでみました。
肉じゃが×ピノノワール
和食の定番である肉じゃがには、ほんのり果実の甘味を感じるローガン ワインズ ローガン ピノ ノワールがおすすめ。
肉じゃがの甘辛い味わいと、甘味を感じるピノノワールは相性ばっちりですよ。
ローガン ワインズ ローガン ピノ ノワール
サンマの塩焼き×グリューナー フェルトリーナー
サンマの塩焼きにカボスやスダチを絞るように、
柑橘系の酸味を感じるこのワインがサンマの油っぽさをさっぱりと流してくれます。
フリッツ サロモン グリューナー フェルトリーナー パトロン
鰤の照り焼き×ピノノワール
魚に合うワインは白とは限りません。
醤油やみりんの甘辛い味わいに合わせたミディアムボディの赤ワインを合わせてみましょう
マテティック コラリージョ ピノノワール
ハンバーグ×カベルネソーヴィニヨン
肉汁あふれるハンバーグ。特にドミグラスソースなどのこってりしたソースで頂く場合には、
しっかりとボリューム感のあるボルドーワインと合わせてみてください。
シャト- セネジャック
豚の生姜焼き×辛口ロゼ
豚の生姜焼きには、辛口のロゼがオススメ。ロゼワインは、比較的なんにでも合わせられるオールラウンダー的ワインですが、豚肉との相性は抜群ですよ。
E ギガル コート デュ ローヌ ロゼ
麻婆豆腐×ゲヴュルツトラミネール
スパイシーな麻婆豆腐には、エキゾチックなアロマが香るゲヴュルツトラミネールを合わせてみては。
ほんのりと感じる甘味は、甘辛い麻婆豆腐にぴったりです。
カミーユ ブラウン ゲヴュルツトラミネール ユフォルツ
普段のおかずをワインに合う料理に近づける3つの方法
味付けや、つけだれの隠し味にワインを
飲もうと思っているワインを少量お料理やソースの隠し味に。
こうすることで、ワインと料理の味わいが近づいて相性が良くなります。
鍋料理の味付けは美味しい塩と粗びき胡椒
水炊きや、しゃぶしゃぶなどのお鍋とワインを合わせる場合
ポン酢やゴマダレといったつけだれをつかわずに、塩と粗びき胡椒をぱらっと一振りするだけで
赤ワインにも白ワインにも合わせやすいお鍋として楽しめます。
刺身をお手軽カルパッチョに
普段は醤油でいただくお刺身も、塩とオリーブオイルをかけるだけで
ワインにピッタリな、お手軽にカルパッチョとして楽しめます。
ちょっと良い調味料を使うことで、グッと本格的な味わいになりますよ。
ワインショップがおすすめする高級オリーヴオイル
サッシカイア エクストラ ヴァージン オリーブオイル
イタリアの銘醸地、トスカーナが誇る超有名ワイナリー、「サッシカイア」が造る、上質なエキストラバージンオリーブオイル。低圧で絞られた後、無ろ過で瓶詰して出荷される少量生産の希少品です。
まとめ
今回は、自宅でワインを楽しむためにちょっぴり気にしたい、
『保管温度と適温』『グラス』『お料理』についてご紹介しましたが、
美味しいワインを飲むのに一番重要なのは『自分が楽しめること』だと思っています。
この記事を参考に、ぜひ家飲みワインを楽しんでください。