イメージ変わる!?「ドンペリ」が世界中で愛される理由
ホストクラブでオーダーしたらシャンパンコールが始まったりして。
・・・ちょっとチャラい印象です。
でも、ドンペリってマキちゃんが思っているような、チャラいお酒ではないよ。ナイトマーケットでの人気がそんな印象にさせてしまっているのかもしれないね。
その証拠にドン・ペリニヨン1999は、2019年5月に行われたアメリカのトランプ大統領を国賓として迎えた宮中晩餐会で、乾杯に使用されました。ドンペリって本当は格式の高いシャンパンなんです。
ということで、今回は日本で最も有名なシャンパン、”ドン・ペリニヨン”とはどんなワインか。ドンペリの種類。贈り物選びの参考にしたい『ドンペリが深く愛されている理由』を深掘りしていきます。
高級シャンパン『ドンペリ』とは?
マキちゃんのように、高級シャンパンのイメージが先行しがちでそれ意外の情報をあまり知らないことが多いドンペリ。
実際のところドンペリについてどれくらい知っているでしょうか?
まずは意外と知らないドンペリの4つの基礎知識からおさらいしてみましょう。
【その1】ドン・ペリニヨンは社名ではありません。
一般的に『ドンペリ』と呼ばれるこのシャンパン。正式名称はドン・ペリニヨン(Dom Perignon)といいます。
よく勘違いしがちなのですが、ドンペリはドン・ペリニヨン社が造っているシャンパンではありません。
シャンパーニュ地方最大のメゾンで且つ、世界で最も売れているシャンパンブランド「モエ・エ・シャンドン」社が造るプレスティージュ・シャンパーニュがドン・ペリニヨンなんです。
プレスティージュ・シャンパーニュって?
プレスティージュ・シャンパーニュとは、シャンパーニュ生産者が通常のラインナップとは別に造った特別仕様のシャンパンのこと。
その多くが、単一の収穫年の葡萄しか使われない『ヴィンテージ・シャンパーニュ』で、熟成期間も通常より長くとっているものが多いです。
【その2】ドンペリはルイヴィトンのグループ会社
ドンペリはあの高級ファッションブランド、ルイ・ヴィトンやブルガリ、フェンディなどを抱える超ラグジュアリーなグループ企業、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループの傘下。
ドンペリだけでなく、モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、クリュッグなどの数多くの高級シャンパンメーカーも傘下に入る巨大グループなんです。
【その3】ドンペリは毎年生産されません
ドンペリは葡萄の出来が最高だった年に、その年に収穫した葡萄だけを使って造られる単一年(シングルヴィンテージ)のシャンパン。ドンペリとしての品質に達していないと判断した年には、造られることはありません。
そのため、ドンペリの中でも一番一般的なのヴィンテージシリーズでさえ1921年から現在に至るまで42ヴィンテージしか生産されていません。
【その4】ドンペリの名前は修道士の名前から
ドンペリは、シャンパンの発展に深く関わった人物として知られる
『ドン・ペリニヨン修道士』にちなんで名付けられました。
Wikipediaより『ドン・ペリニヨン修道士像』
また、シャンパーニュ地方エペルネにあるドン・ペリニヨン修道士ゆかりのオーヴィレール大修道院とその周辺ぶどう畑はモエ・エ・シャンドンが所有していて、この畑の葡萄もドンペリに使用されているそうです。
名前の由来”ドン・ペリニヨン修道士”
ドン・ピエール・ペリニヨンは、16世紀のベネディクト派の修道士でした。ドン・ペリニヨン修道士が30才の頃にシャンパーニュ地方エペルネにあるオーヴィレーヌ修道院に移って以降、生涯地下ワインセラーやブドウ園の管理に携わったそうです。
ドン・ペリニヨン修道士も、スパークリングワインを造っていませんでした。
ですが、シャンパーニュ地方の涼しい気候が災いし、ワインが意図せず発泡。スパークリングワイン化することもしばしばだったそう。時には地下セラー内で寝かせていた瓶が破裂し大混乱になったとか。
そのため、シャンパーニュの父と称されるドン・ペリニヨンでさえ、いかにして発泡しないワインを造るかを研究していたと言われています。
でも、ドン・ペリニヨン修道士はシャンパンにとって何も貢献しなかったのか?と言うとそうでもないんだよ。
彼は、様々な畑のブドウを選別し混合(アッサンブラージュ)してよりバランスの良いワインを造る方法や、ブドウの栽培方法をルール化してシャンパンの品質を高めることに貢献したといいます。
少なくとも、ドンペリニヨン修道士はシャンパンの発展に大きく貢献した人物といえます。
ドンペリの主なラインナップは9種類
ドンペリは基本的には白とロゼの2種類ですが、熟成期間などの違いを含めると9種類になります。
さらにアーティストとコラボレーションした限定ボトルも含めると、現在までにかなりの種類がリリースされています。
今回は基本となる9種類のドンペリをグレード順に紹介しますね。
1.ドン・ペリニヨン ヴィンテージ(ドンペリ 白)
一番ポピュラーなタイプのドンペリ。『ドンペリの白』なんて名前で呼ばれることも。
ドンペリの中では一番お手頃なタイプとはいえ、他のドンペリと同じく葡萄の出来の良い年しか作られません。また最低8年という長い時間、熟成のためにセラーに寝かされてから出荷されます。
2019年6月現在、流通されている最新のワインは2009年ヴィンテージになっています。
参考価格:約¥15,000~
2.ドン・ペリニヨン ヴィンテージ ロゼ(ドンペリ ピンク、ピンドン)
3.ドン・ペリニヨン P2
4.ドンペリ P2 ロゼ
5.ドンペリ エノテーク(ドンペリ ブラック、ドンペリ プラチナ)
6.ドンペリ エノテーク ロゼ
7.ドンペリ レゼルヴ・ドゥ・ラベイ(ドンペリ ゴールド)
8.ドンペリ P3
9.ドンペリ P3 ロゼ
ドンペリの値段はなぜ高い?高級な3つの理由
でも、値段が高いのにもきちんと理由があるんだ。
ドンペリがなぜ高いのか、ワインガイドの考える3つの理由を説明します。
【その1】シャンパンは他のワインよりも手間暇がかかるから
例として、白ワインの一般的な作り方と比べてみると
白ワインの造り方
プレス アルコール発酵 熟成 清澄・ろ過 瓶詰め
シャンパンの造り方
プレス アルコール発酵 熟成 清澄・ろ過 ブレンド リキュール添加 瓶詰め 瓶内二次発酵 熟成 オリ抜き リキュール添加 瓶詰め
シャンパンのほうが、こんなにも工程が多いんです。
時間も手間もかかっているぶん、価格も高価になるんですね。
【その2】ドンペリは熟成期間が長いから
シャンパンには、製造方法の決まりとして熟成期間の長さが規定されています。
単一年(シングルヴィンテージ)のシャンパンの場合、熟成期間は3年以上。さらに特に決まりはないものの、ドンペリと同じプレスティージュ・シャンパンの場合は、5~7年が一般的です。
ところが、ドンペリの場合最低でも熟成期間は8年。さらにはドンペリ P3は3~40年の熟成を経てからでないとリリースすることはありません。
長い期間セラーに寝かせておくということは、それだけ管理コストがかかるということになります。
【その3】ドンペリは、葡萄の出来が良い年にしか造られないから
ノンヴィンテージ・シャンパンのメリットは、葡萄の出来の良かった年でもあまり良くなかった年でも安定して美味しいシャンパンが作れること。その分、年によっての味や香りの違いはあまりありません。
一方、ドンペリはすべてのシリーズが『ヴィンテージ・シャンパン』であり、単一年に収穫した葡萄、特に作柄が良くドンペリとしての品質に達した葡萄しか使用することはありません。
毎年生産することはできませんが、ドンペリは個性あふれるシャンパンを造りを目指しているのです。
こだわり抜いたシャンパンだからこそ、高価になってしまうのは納得ですね。
贈り物選びの参考に!ドンペリが愛されている3つの理由
値段が高いながらも、その分しっかりとした品質をもつドンペリ。そのため、大切な方への贈り物やパーティに使用される機会も多くあります。
ここでは、贈り物にドンペリを選ぶ際、参考にしていただきたいアピールポイントを3つ紹介します。
贈り物選びの参考にするだけでなく、お相手にドンペリを説明する際の話のたねにご利用くださいませ。
リリースするヴィンテージに外れがないのがドンペリです
ここでも紹介したように、ドンペリは葡萄の出来が良く生産者が納得した品質に達した年にしか生産されません。
ということは、他の多くのワインのように葡萄が育った気候による『当たり年』が存在しないことになります。
ハズレがなく、どれも美味しく飲めてしまうなら贈り物で失敗する心配はなくなりますね。
ドンペリは世界的のセレブが愛するシャンパン
マリリンモンロー
1950年代に、印象的なブロンドヘアーと真っ赤な口紅、セクシーなイメージで多くの人を魅了したマリリンモンローもドンペリの大ファン。特に1953年ヴィンテージを好んで飲んでいたそう。
故・ダイアナ妃&チャールズ皇太子
1981年に行われたダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚式では、ドンペリニヨン1961年ヴィンテージが使用されました。この1961年というのは、ダイアナ妃の生まれ年。結婚式にはこの日のためだけに作られた特別なラベルを付けられたドンペリが99本使用されたそう。
宮中晩餐会
ここ数年の間に開催された宮中晩餐会では、必ずと言っていいほどドンペリが振る舞われています。それだけ信頼の厚いシャンパンなのかもしれません。最近では、2019年5月にアメリカのトランプ大統領を招いて催された宮中晩餐会でもドンペリは乾杯のワインに使用されました。
ドンペリは映画の中でも華々しく登場
スパイアクション映画の金字塔007シリーズでは、主人公でMI6諜報員のジェームス・ボンドはシャンパーニュ、特にボランジェとドン・ペリニヨン好きとして描かれています。
ドンペリは、第一作目の『ドクター・ノオ』を皮切りに初期作品には毎回のように登場するお決まりのシャンパン。ジェームズ・ボンドが映画の中でドンペリについて言及するセリフもあり、ドンペリを一度は飲んでみたいと憧れる方も多いのではないのでしょうか。
007以外にも、ミュージカル・コメディ『ブルース・ブラザーズ』、メグ・ライアン主演の『めぐり逢えたら』、スティーヴン・キング原作のホラー映画『ミザリー』などドンペリは多くの映画に登場。
まとめ
今回はドンペリについてを深掘りしてご紹介いたしました。
以前と比べてドンペリの印象は変わりましたでしょうか。
ちなみに2019年1月1日、28年間に渡りドン・ペリニヨンの醸造最高責任者を務めたリシャール・ジェフロワ氏がが引退。新しくヴァンサン・シャブロン氏が就任しました。
ドンペリニヨンとしての伝統を守りながらも、進化し続けるドンペリニヨン。それは醸造最高責任者が変わっても変わることはないはずです。少しずつ変わっていくドンペリの世界も楽しみですね。
そして、引退したリシャール・ジョフロワ氏の近況ですが、こちらのサイトによるとなんと富山県で日本酒の醸造に乗り出すとか。世界的に有名なワイン醸造家が手掛ける日本酒!今後の展開が気になりますね。